『メイドインアビス』ロマンと共に恐怖すら感じさせる不思議な世界観の魅力

前期に放送していたアニメ『メイドインアビス』。

キャラデザや絵柄から敬遠する人や1話で切る人も結構居そうな作品ですが、観続けてみるとなかなか味わい深いアニメでした。

今回はこの作品の魅力や見所をまとめます。

あらすじ

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―1900年ほど前、南海の孤島に巨大な縦穴が発見された。直径約1000メートル。深さは…今もわかっていない。その不可思議な姿は人々を魅了した。

貴重かつ危険な現生物たちや、理を超えた不思議な遺物が一攫千金を狙う冒険家を呼び寄せ、いつしかそこには巨大な街が築かれた。

長年に渡って未知へのロマンと数多の伝説をエサに多くの人々を飲み込んできた、世界唯一最後の深淵… その名を『アビス』と言う―


アビス周辺に築かれたこの街に住む少女・リコは、アビスに潜って遺物を持ち帰ってくる「探窟家」の見習いであり、今は行方知れずとなっている伝説の探窟家・ライザの一人娘である。

アビスの中で産み落とされたというリコは、物心ついたころからアビスに対し執着心ともいうべき強い興味と憧れを抱いていた。

ある日彼女は、探窟の授業の最中に未知のロボットを発見、これを先生たちに内緒で持ち帰る。ひととおり調べた末、どうやらこのロボットが地上の科学で解明できないアビスの技術でつくられた「オーバード(アビスの秘宝)」あることを知る。

目が覚めたロボットと友達になったリコは彼にレグという名前をつけ、表向き彼を同じ生徒として学校に入らせ、一緒に探窟家見習いとして暮らしていくことになるのだが、そんな時にひとつの大きな転機が訪れる。

 

ある探窟家チームが、ライザの白笛(探窟家のなかでも伝説級であることを示す階級証)と、彼女が記した書類をアビスから持ち帰ってきたのである。

ようやく書類の閲覧許可を与えられたリコがレグと一緒に観にいってみると、今でも知られていないようなアビスの現生物に関する情報などがびっしりと書かれていた。思わず感動するリコ。レグはそのほかに何か短い文が書かれた一切れの紙を見つける。リコが読んでみると、そこには「奈落の底で待つ」と書かれていたのだ。

「お母さんがアビスの底で自分を待っている」そう判断したリコは、奈落の世界への強い憧れとライザに会いたいという気持ちを胸に、レグの力を借りてアビスに潜ることを決意。事情を知る友達や一部の先生,先輩たちに助けられて彼女は未知の世界を奥へ奥へと降りていく。

旅の中でリコとレグが遭遇するのは、想像を絶するほどに奇妙で神秘的で過酷なアビスの洗礼だった。果たして彼女たちは無事にアビスの最奥にたどり着きライザに会うことができるのか…

主要キャラクター

・リコ

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アビスの周囲に築かれた街・オースに住む12歳の少女。孤児院で暮らしている。快活で好奇心旺盛。天真爛漫で先生の言うことを聞かずに怒られるようなこともしばしばある模様。伝説の探窟家・ライザが地上に残した一人娘であり、アビスの中で出産された。しかしその素性は、極一部の人間を例外として明かされていない。

ライザが地上へ向けて送った伝言をきっかけにアビスの底を目指して旅を始めるが、彼女の探窟家としての実力は見習い階級相応であるため、必然的に無謀で危険極まりない試みとなる。

ただアビスへの憧れや知識欲は人の何倍もあるようで、アビスの内情や遺物についての知識はかなり豊富。

・レグ

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リコがアビスの淵で拾った人型ロボット。拾われる前、リコがアビスの化け物に襲われているところを助けたようだが、彼自身はそのことを覚えていない。

彼の身体のメカニズムはリコの豊富な知識と探求心をもってしても殆ど解明できないためアビスの産物であると思われるが、彼はアビスに関する情報や自分の正体を全く記憶しておらず、自分の腕が伸びることに自分で驚いていたほどである。

故に、アビスの最奥への旅は、彼にとっても自分の正体を見出すことができるかもしれない重大なものである。

・ジレオ

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リコが暮らす孤児院で子供たちの面倒を見ている探窟家。子供たちからはリーダーと呼ばれている。探窟家としての階級は師範代クラスの「月笛」である。教育熱心で思いやりがあり、子供たちの不出来をよく叱る一方では彼らのことを相当思いやって気にかけている。

・ライザ

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リコの母親で、最高位の「白笛」探窟家のなかでも伝説として謳われる存在。なお画像は10年前の彼女の姿。またの名を「殲滅のライザ」「殲滅卿」。

リコが生まれて間もなく、アビスの底への憧れと、このままリコと一緒に居れば彼女を大事に思いすぎるが故に探窟家になる道を奪ってしまうという想いからアビスの最奥を目指して潜っていく。それ以来消息不明である。

彼女の持ち物であった白笛と、リコに宛てて書いたであろう手紙が発見されたことが、リコがアビスの底への旅を即決意するきっかけとなった。

【備考】深淵に向けて出発してから10年もの月日が経っているうえ、その白笛も回収されたことで、彼女がアビスの中で命を落としている可能性も否定はできないが、いまだに地上で知られていないような情報を彼女が記していることから、どうやらすでにアビスの底、そうでなくてもかなり深くまで潜っていることは想像できる。つまりそれほどの実力があるということなので、生存している可能性も充分に期待できるだろう。

評価・感想(ダメだし込み)

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まず、設定と序盤のワクワクは他に類を見ないほどのものがある。

物語の舞台となる『アビス』は、探索・解明され尽くした地上において唯一の未知の領域、唯一の謎。

この星のとある場所にぽっかりと直径1kmほどの穴が開いていて、シンプルな縦穴でありながら地上から中を観ることはできず、どうなっているのかも、どこまで続いているのかも分からない…

こんな恐怖があるでしょうか。同時にこれほどのロマンがあるでしょうか

そんな場所に視聴者がリコたちと一緒に潜っていくような感覚は、好奇心・冒険心・恐怖心を煽る。

アニメや漫画において、異世界冒険ものとか、魔法が存在する世界とか、または怪物が居る世界とか、そんなものは今まで数多くあった。でも「未知の世界のロマン」をこんなふうに直球で描いたものは少ないかもしれない。

この大きな縦穴という設定は妙にリアルで、こんなものが現実にあってもおかしくないという気分にさせる。だからより一層怖く、引き込まれる。

母と娘の物語でありながら、人間を魅了するロマンの物語でもある。

どんな世界が待っているんだろう、どんな出会いがあるんだろう、リコとライザの物語はどんなふうに終着するんだろう…と、何重かの楽しみがあるような感じ。

冒険物が好きな人なら、惹かれることは間違いないと思います。

 

ただ注意点・マイナス点もあります。

まずは、1話を最後まで観るのが意外にしんどい人が居るかもしれないということ。

この作品は1話の最後の盛り上げ方が非常にうまいのだが(坂本真綾さんのナレーションとエンディングにかけての演出の巧みさゆえ)、逆に言えば1話で視聴者の心をつかむ見所は、絵の雰囲気と最後の盛り上がりだけと考えられなくもない。

最初からどんどん面白い話が展開するわけでもないし、アクションシーンが有るわけでもないので、人によってはその前置きが非常にダルく感じるのではないかと思う。要するにウオオォォォ!と引き込まれるまでに少し時間がかかるのである。

この記事の冒頭で「1話で切る人も結構居そうな作品ですが」と書いたのはそのため。

 

もうひとつのマイナス点は、主人公であるリコが…ぶっちゃけウザい…かなと。

あ、これは声優さんの演技やアニメ制作会社さんの演出への批判ではないです。多分原作の雰囲気を忠実に再現してるんだろうなという感じは受けますし、作りの丁寧さに愛も感じるから。

そうではなくて単純にリコという人物が自分はウザかった。

「元気いっぱいで好奇心旺盛、ロマンを求める天真爛漫な少女」という設定自体はいいんです。よくあるものだし、そういうキャラクターの行動は読者・視聴者を勇気づけたりもします。

でもリコの性格はそれとは違う。無謀で、ワクワクに支配されすぎている。

「彼女のまっすぐさが周りの人を巻き込んでてんやわんや!」というコミカルな感じではなく、単純に無謀なのです。蝶々を夢中で追いかけていて崖から落ちる、そんな感じの無謀さといえば分かりやすいでしょうか。

その無謀さのせいで自分だけでなくレグまで危険な目に遭うことも珍しくはありません。正直、もしも一緒に旅をしていたら相当ストレスがたまるだろうなと思います。レグはほんとによく彼女の面倒を見ている。

リコはアビスに関する知識は物凄く豊富なのに、はたから見ていてそれをあまり生かせていません。自分の実力ではふつうに考えて不可能なところに、ものすごく危険なところに潜っていっているにも関わらず慎重さに欠け、「すごいなぁ♪」「きれいだなぁ♪」「うわぁ~!☆」というテンションなんですね。これが結構疲れる。

ある一定の深さ以上に潜るとまず戻ってくることは不可能とさえ言われているアビスに、命を懸けてダイブしているにしては、真剣身が全く足りないのです。そこは観ていて不快だったし、感情移入を妨げていました。

こういったところは、この作品で唯一かつ重大な不満点であります。

 

あと最後にひとつ。

キャラクターの可愛らしい見た目やファンタジー感とは裏腹に、アビスで彼らを待ち受けるものは過酷で、演出も結構エグかったりします。

グロいとまではいかないと思いますが、キツいシーンもあります。

そういうのが苦手な方は多少気を引き締めてご覧になってください。

まとめ

まぁダメ出しもしましたが、絵は丁寧できれいで雰囲気もいいし、声優陣の演技も真に迫る素晴らしい出来だし、何より人間の心の奥底にあるようなロマンを直球で突いてくるところも物凄くいい。全体的な評価は★4つ近いです。

不思議で、奇怪で、残酷で、時として温かい

そんな物語に興味がある方は、ぜひ観てみて下さい。

 

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