『サクラダリセット』不思議な世界観と設定、他にない面白さを簡単に紹介

4月から放送中のテレビアニメ『サクラダリセット』が2クール目に入りました。勝手に1クールのものだと思い込んでいたので、大変うれしいです。

この作品は放送開始当初からお気に入りの一つです。このアニメも、春アニメのなかで個人的にトップ3に入るひとつ。(2017春アニメ個人的TOP3は『終末なにしてますか~』『月がきれい』『サクラダリセット』)

決して明るい話ではないんですが、とはいえ陰惨でもない。日常アニメでもなく異能バトルアニメでもない。本当に独特の世界観をもった作品です。

今回はこのアニメの特筆すべき魅力をかいつまんでご紹介しましょう。

 

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舞台は、人知を超えた不思議な能力を扱うことができる『能力者』があたりまえに存在する街、サクラダ(咲良田)。

そして、どういうわけかこの街のことは世界中の誰にも知られていない。それは、こうした能力者はサクラダの中でのみ発生するうえ、サクラダを出た者は例外なく、能力に関する記憶すべてを忘れてしまうから。(能力に関するすべての記憶が失われるということは、つまり能力をそれ以降使用できないことを意味する)

このサクラダという不思議な街で、

「どんな些細なことでも全てを記憶し、それらを正確に思い出すことができる」という能力を持っている主人公・浅井ケイが、世界を最大で3日間巻き戻すことができる能力を持っているヒロイン・春埼美空と一緒に、この街に存在する些細な悲しみをひとつひとつ消していくために少しずつ未来を変えていく…

という大筋。

一見するとありふれた『ループ物』だが、その実、独特な設定が随所に見られ、視聴者(読者)の好奇心をくすぐるストーリーになっている。

日常×異能×哲学

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この作品の面白いところは、『異能もの』『ループもの』でありながら、その両方のジャンルにおける典型的なイメージのなかでおさまらない珍妙な設定の数々。

まず、異能ものといっても炎や氷や雷やサイコキネシスを操ったりして戦うわけでもない。明確な敵や悪の手先が居て、主人公がそれを倒すといった熱血ものではない。そもそもそれぞれのキャラクターが持つ能力がかなり独特である。

たとえばヒロインの美空は世界を巻き戻す能力『リセット』を持っているが、厳密に言うとこれは時間を巻き戻しているわけではない。原子,分子といった単位で、世界のありとあらゆるものを元の配置に戻すというもの。だから時間を操っているわけではない。おまけに、巻き戻すには一度セーブをしておかねばならず、同じセーブ箇所には一度きりしか戻れない。そして、リセットを使うと彼女は、戻ってきた時間からリセットを使用した時間までの間の記憶をすべて失う。

またたとえば浅井ケイの友人・中野智樹は、他者に対していつでも好きな時間に、自分が指定した声を届けられる(声は自分の物でも他人の伝言でも可)。だが一方通行で、通話には使えない。

ほかにも、「眠る(正確には完全に無心になる)ことでサクラダに居る猫の視界や意識を共有して観ることができる能力」とか、「他人から情報を吸い取れる能力(だが情報と一緒に気力体力も吸い取ってしまう上、極度の潔癖症でふつうの食べ物を口に出来ない)」とか、

このように独特でクセのある能力が多い。

浅井ケイは、このような個性的な能力者たちと関わって、時に敵対したり、仲間のようになったりして、交流を少しずつ広げていく。

 

異能バトル物のように最初から明確な終点があってそれに向かって奮闘していくという感じではなくて、普通の日常を過ごしながら「奉仕クラブ」という部の活動として人々からの依頼をこなしていくところも面白い。

この奉仕クラブというのは、サクラダの能力を平和的に監視・管理している組織『管理局』の傘下にあるものなのだが、ケイと美空は、この組織の下っ端でありクラブの顧問である津島信太郎から依頼を言い渡され、それらをこなしていく。

そしてその先々で彼らは思いもよらぬトラブルに直面しながら、サクラダという不思議な街の本質へ近づいていく。

どんな依頼がくるか、どんなトラブルが舞い込んでくるか、どんな能力が出てくるか、そういうものを予測するのが極めて困難なので、シナリオが少しずつ解かれていく快感がある。

また、『能力』というものが主人公たちのありふれた日常のなかにふと現れて、なんの違和感もなく馴染む。劇的でもなくまがまがしくもなく、リアルの中に超常がすんなり溶け込むこの不思議な感覚は、他の作品ではなかなか出逢えないものである。

 

ケイがいかにその記憶能力と優れた頭脳を駆使し、美空のリセットや、ほかの能力者たちの力をどう用いて課題を解決していくか、未来をよりいい方向へ変えていくか… というのが見どころ。

それに加えて物語の随所には、優しさとか正しさとか、人の生きざまとか、本物の幸せとかそういった哲学的なシナリオや会話(哲学や心理学などの専門用語、またはそれに類似したやりとりが出てきたりもする)が仕掛けられていて、知的好奇心や哲学的興味を刺激される場面も珍しくない。

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正統派の青春物語でもない、バトルものでもない、単なるループものでもない、コメディでもないし、残虐ストーリーでもない。まさに〝独特〟という形容するのがピッタリな不思議な作品である。

本編の絵の、キャラの肉感や背景の熱気をのぞいたタンパクでシャープな線も、この作品特有の空気感を存分に引き立てている。

涼しげで寂しげでそれでいて温かい。しかしなんだか怖さもある。どうなるんだろうという心配もある。

このアニメの世界には、そういう珍しい雰囲気がある。

その独特の空気だけでも掴みはバッチリだが、その上、シナリオの引きも毎回毎回、次回がどうなるのか気になるものに仕上がっている。これほど、毎回「次どうなるんだ…」と思わされるアニメもなかなか無いだろう。

オープニング主題歌も1曲目2曲目ともにこのアニメの作風にこれでもかというほど合っていて、気持ちを盛り上げてくれる。

 

本当に味わい深いアニメなので、迷っている人はぜひ観てみてほしい。

「あまり見たことのないタイプのアニメが観たい」

そういう人には間違いなくお勧めするアニメだ。


1クール目OP主題歌 牧野由依「Reset」

2クール目OP主題歌 WEAVER「だから僕は僕を手放す」

この曲は7月5日よりiTunesなどで配信販売が開始される模様。(情報源

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原作小説

 

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